2016/08 Matterhorn登頂記(アタック)

2016/08/18 ベースキャンプ ヘルンリ小屋へ

06:00 起床
07:00 朝食
10:00 ホテルチェックアウト(帰国時の荷物はデポジット)
12:00 リフトに乗る。
12:30 シュヴァルツゼー駅で下車。ヘルンリ小屋に向けて登山開始。

14:00 ヘルンリ小屋到着。

14:30 チェックイン

自分は二段ベッドの下段手前のベットを割り当てられた。狭くはあるが、非常にきれいな施設である。
施設の設備案内、施設内のルール、夕食や朝食の時間帯や起床時間等 いろいろと説明を受けた。
続々と明日のマッターホルン登山者客が増えてくる。結局、20~30名程度の登山客がいるようだと感じた。

その中に、日本人は4人いた。一人を除く3人で何となく寄り集まり、お互いに自己紹介しながら明日のことについて情報交換をしながら過ごした。一人は愛知在住の20代男性でかなり鍛えているような筋肉質の方。過去にはキリマンジャロも登頂しており、これからも海外登山にチャレンジしたいと言われていた。もう一人はイギリスかどこかに駐在中の20代男性。登山経験が豊富ということでもないが、痩せて身軽な感じの方。妹が結婚を控えておりマッターホルンの頂上で妹さんの結婚式で流してもらうビデオメッセージを撮影して送りたいのだと言われていた。それぞれに目的をもち意気揚々とした雰囲気の中、明日に向けて興奮が高まってきているのが伝わってくる。

19:00 ガイドと対面。一緒に食事を取る。
自分のガイドは、30代前半のファビアンという方だった。スキンヘッドで無骨な山男という感じ。笑顔も見せず言葉少なめだが、決して嫌いではないタイプ。英語も上手に話せないため、会話は弾まない。ほかのペア達は、打ち解けた感じで会話をしている様子から、少し居心地の悪さは感じた。
他の日本人たちはどうだろうかと様子をうかがうと、二人とも流暢に英語を操りガイドとも良く話をしていた。
まあ、仕方ないだろう・・・。そんなことを思いながら、ファビアンと静かに食事の時間を過ごした。

20:00 ガイドと明日の装備品についての確認をする。
不要と判断された荷物は、自分専用のカゴに収めて、下山まで宿に預けることになる。特に不満なことは無いが、本当に厳選したものしか持たないのだなと感じるような選別をしてくれた。

20:30 ガイドと打ち合わせを終え、自由時間を過ごす。
先ほどの3人組が集まり、ガイドの話をしたりした。他の二人のガイドは気さくで優しそうな印象を受けて羨ましく感じた。
あと一人の日本人の方のもとへ行き、挨拶をした。話を聞いたところ、その方のガイドは日本人で近藤謙司さんという有名な山岳ガイドの方だと聞いた。あまり存じ上げなかったが、WIFI環境だったのでネットで検索すると、エベレストのガイド登山も幾度もしており複数の方の登頂成功に導いておられるようであった。
少し話をさせてもらってもよいかと聞くと、快諾してくれたので近藤さんを囲って色々と話を伺った。現地ガイドとも知り合いのようで、ガイドたちが近藤さんに挨拶をかけていく。我々のガイドが誰なのか?質問され順々に答えながら、「彼は優しくていいやつだ・・」などと人物評も加えてくれた。自分のガイドについては、「あいつはいいやつだけど、厳しいぞ。頑張ってちゃんとついていかないとね。」とアドバイスされた。どうやら、ファビアンとの登山は大変そうである。と自分の頭の中にインプットされた。

21:00 消灯。

2018/08/19 マッターホルンへのアタック

03:45 起床。着替えて出発の準備を始める。
04:00 朝食。寝ぼけたまま、無理やり食事を胃に入れる感じ。
04:20 出発の時。ヘッドライトを着けて出入り口付近にペア同士の登山者たちが、ドアの開くのを待っている。どうやら、出発時間は制限がかけられているようだった。ドアがあくと、気合の声を上げながらどんどんと急ぎ足で飛び出していく。自分もファビアンに連れられ「さあ、いくぞ。」自分に気合を入れて飛び出した。

マッターホルン登山は、時間との勝負。大気の安定している午前中に下山まで終えるのが安全と言われている。そのため、しばらくは良いペースで登れるために、遅い登山者に前を歩かれて邪魔されないようにポジションを確保するのが重要なんだというのが理解できた。ファビアンは、そういった意図で岩場の登攀では、少し外れた 他と干渉しないコースから上がっていき、自分を導いてくれた。自分もそれに応えるべく食らいついていった。
06:20 中間地点のソルベイ小屋に到着、更に少し登ったあたりの休憩ポイントで初めての休憩。

恐らく、その時の写真だと思われる・・・。雲のかかるキワの辺に、ヘルンリ小屋が見えている。
07:00 更にもう少し高度を上げた地点で、雪・岩のミックスとなりアイゼンの装着を指示される。
悪くないペースで登ってきていると思う。かなり体力の消耗が激しく、疲れが出てきていた。
4200m付近からの斜度のきつい箇所に綱引きでつかうようなかなり太いフィックスロープに頼って登るポイントがある。それを登っているころには、体力も限界に近づいてきていた。もう、気力で登りきるしかないと心に決めガムシャラに登った。そのポイントを過ぎたころから意識も少し薄らぐような感覚さえあった。
しばらくすると、日本で下調べしたときに知ったことで見覚えのある「聖ベルナール像」を見つける。また、下山してくるパーティから「congratulations!」と声をかけられ、握手を促されたので、どうやら登頂に成功したようだと理解した。
感極まり歩きながら自然と涙がこぼれるのを感じた。
ほどなくして、幅数十センチのナイフリッジの屋根の部分を歩き、とうとう頂上にたどり着いたことをファビアンが告げた。08:00のことだった。ファビアンと握手を交わし、感謝の意を伝えた。
頂上での撮影をしばらくして、「聖ベルナール像」のポイントまで戻り小休止をした。登頂した達成感に浸りながら、素晴らしい眺望を満喫した。
 

09:00 ソルベイ小屋 付近 アイゼンを外し小休止。
 

11:00 ヘルンリ小屋着
小屋前のテラスで、ファビアンと過ごしながら登頂の余韻に浸った。
登頂の証明書にファビアンと自分のサイン入れて、受け取った。
かなりの疲労で、しばらくは何もしないで時間を過ごした。
12:00 預けた荷物もザックに詰め込み、下山を開始する。

下山しながら、後ろを振り返りマッターホルンの姿を眺める。
「今日のマッターホルンが一番綺麗だ。」と感じたのが記憶に残っている。
そして、そういえばこの土地にいた約1週間、雨が降らずいつも天候に恵まれていたなぁ・・。と、ふと気づいた。

13:30 元気が戻ってきた。駅まではとても気持ちよく歩けた。
14:00 ツェルマット着
15:00 ホテルバンホフで預けた荷物を取り、ホテルのフロントに滞在中のお礼とマッターホルン登頂成功を報告し、ホテルを後にした。
16:00 電車に乗車。
20:00 ジュネーブ着
21:00 ホテルチェックイン。
シャワーを浴び、何も食べず、そのまま泥のように眠った。
本当によく動いた一日だった・・・。

2018/08/20 帰路

07:30 ホテルチェックアウト

ジュネーブ駅付近の風景。ほとんど何もジュネーブのことを体験することが出来なかった・・。
08:00 空港着。
10:30 ジュネーブ空港発

翌日(2016/08/21) 08:30 羽田着。
目的を達成し、無事日本に帰国した・・・。